十国旅行記

しずおかけん

大井川鐵道「普通列車」乗車記

静岡県島田市と同県の川根本町を結ぶ大井川鐵道は今冬、平日の期間限定で「臨時普通列車」を運転することを発表しました。

 

大井川鐵道といえば「きかんしゃトーマス号」などのSL列車で有名な観光路線ですが、JRとの接続駅である金谷駅からの「普通列車」は1日に7本のみ。

 

ある意味SL列車より貴重な「普通列車」ですが、「臨時普通列車」が運転されることで、金谷駅からの普通列車がなんと3本も増発されます!

各駅停車の長閑な雰囲気を手軽に味わう絶好のチャンス!!ということで、さっそく「普通列車」に乗ってきました!

 

東海道本線金谷駅に到着。

 

柵を隔ててすぐ隣にある大井川鐵道のホームで待っていたのは、10:57発の「普通列車川根温泉笹間渡行き。

1日に7本しかない「定期」普通列車のうちの貴重な1本です。

 

金谷駅から約40分、終点の川根温泉笹間渡駅に到着。

昔ながらの木造駅舎です。

 

この駅も列車の本数が非常に少ないので、そのまま同じ電車で金谷方面へ戻ります。

 

金谷駅の隣の「新金谷駅」で降りてしばらく待っていると、家山行きの「臨時普通列車」が入線してきました。

この列車を牽引するのは、かつて西武鉄道で活躍し、今も大井川鐵道を現役で走る「電気機関車」です!

 

後ろ側から見た姿。

 

見ての通りただの「客車」で運転台はないので、終着駅で列車の進行方向を変えるには機関車をこちら側に付け替えなければならず、ふつうの電車のように数分で折り返すことはまず不可能です。

列車本数の少ない大井川鐵道なら、そんなことは全く気にする必要がありませんが。

 

新金谷駅を出発すると、かすれ気味のオルゴールチャイムに続き、車掌さんがアナウンスを始めました。

 

あくまでも「普通列車」なので、各駅に停車する旨を告げたあと、車内での注意事項などを淡々と放送していきます。

ふつうの電車なら、「携帯電話はマナーモードにしてください」のような聞き飽きた内容の放送が流れるところですが、この列車では客車列車ならではの独特な注意事項が放送されます。

  • ドアは手で開けてください。
  • 窓から手を出さないように。
  • 停車中はトイレの使用禁止。

どれもふつうの電車ではまず聞くことのない放送ですね。

 

車内販売で「大井川鐵道ビール」を購入。

座席にセンヌキがあって助かりました。

 

「合格駅」「門出駅」と縁起の良さそうな名前の駅に続けて停車したあと、市街地を抜けて大井川の右岸に急接近したところで、再び車内販売ワゴンが近づいてきました。

ビールおかわり!

 

2本目のビールを飲み干したころ、終点の家山駅で折り返した列車は再び新金谷駅に戻ってきました。

ここで機関車をもう1両連結して、この「臨時普通列車」は客車4両+前後に機関車1両ずつの編成となります。

 

終点の金谷駅に到着。

折り返して川根温泉笹間渡行きとなります。

新金谷駅で機関車を前後両方に付けたことで、金谷駅川根温泉笹間渡駅のような、線路が1本しかない駅でも折り返すことができるようになりました!

 

日没の時刻が近づくにつれて車内も少しずつ暗くなってゆき、昼間とは違った雰囲気に。

 

終点の川間温泉笹間渡駅に到着するころにはもうすっかり夜でした。

寒いので写真を撮ってすぐ車内に戻りましたが、車内も暖房がないので外気温とあまり変わらず寒いです。

 

列車は折り返して金谷行きとなります。

 

再び終点の金谷駅に到着。

到着直前までずっと真面目に放送していた車掌さん、最後に「国鉄はお乗り換えです」と放送してくれてありがとうございました。